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2025.12.23

闘病記その2―リハビリ奮闘〜退院②

闘病記 その2―リハビリ奮闘〜退院②
阿知波正人
 
 理学療法では基本的に歩けるようになるために、トレーニングを順序立てて行っている感じである。当初、立ち膝で前方のベッドに手をついて体を支え、体を左右にゆらす、右へ一歩移動次に左へ一歩移動する運動があった。最初は不安定だったか、力強さや安定感が出てきたら、手放しで行うと言うように徐々にステップアップして行っているようだ。そして、車いすから杖を使った歩行、杖のない歩行と歩行の様子を見ながらトレーニングを進めていった。
 最初は平行なバーに両手でつかまりながら歩く、一側(健側)のバーにつかまりながら歩くから始まったが、足部の背屈底屈がうまくできずに、つまずくようなことがよくあった。徐々に大腿が上がり、少しずつ足関節の背屈ができるようになると、つまずく回数は減ってきた。しかし、まだ危ないので足に装具をはめて、つまずかないようにして杖歩行を何度か行った。日にちが進むと、つまずきが改善してきたので装具なしで杖歩行を行うことが多くなった。自分の感覚では、装具があると確かにつまずきの心配はないが、歩行自体のバランスが悪く、装具がないとつまずく危険性はあるがバランスは良いように感じた。したがって、足関節の背屈や大腿の屈曲がうまくいけば良いことなので装具は必要ないのでないかと考えていた。リハビリチームは最終的に装具の使用も視野に入れていたそうである。結果的には装具の必要性はなくなった。
 杖歩行では普通に歩く訓練、階段の昇降の訓練もあった。そして、9/28 始めて病院外を歩く訓練があった。病院内は段差が全くない空間であるが、院外は凸凹や歩道の小さな坂などがあり、思いのほか気を遣うことが多いことが分かった。通常そういうこと考えずに歩けることがどんなに素晴らしいことか実感した。また、少しの距離であるが、脚がかなり疲労した。
10/6に車イスを卒業して、院内の杖歩行をしても良いとの判断が出された。ただし、1日は看護師さんの見守りが入り、10/7朝に問題なしの評価が出て見守りは解除された。杖歩行の許可が出たので、リハビリとリハビリの間の空いた時間に院内を歩いて回る自主トレを始める。リハビリの予定時間を考慮しながら、1〜1.5時間に1回、病棟のフロアを回ることとした。1周は75メートルの表示があるが、最初は1回に1周から始め、日を追うごとに2周、3周と徐々に増やして行った。最高で1回に6周ぐらい歩いたこともあるが、その時の脚の状況を感じながら、歩く距離は決めている。自主トレ院内散歩は最初は1~2周歩くだけでも脚の疲労感が強かったが、少しずつ長く歩けるようになった。歩けるようになってきたが、歩くに従って右膝関節がカクカクするのを感じた。いわゆる膝が抜ける感じがあったので、このカクカクの防止のために膝窩筋の筋トレを始めた。合わせて足関節の安定のために後脛骨筋と腓骨筋の筋トレも始めた。また、OTから指摘のあった、ゼロポジションの前鋸筋、菱形筋の筋トレを始めた。これはリハビリで前鋸筋の筋トレ用にいただいたセラバンドを使った。
10/8 施設外を歩く。約400メートルを往復したが行きは杖を使い帰りは杖なしで歩いた。10/11 杖なし歩行で傘を持って歩けるかの検証。10/13 院外を杖なし歩行で約2キロ歩く。脚が疲れて途中3回休憩した。
 リハビリで杖なしで歩くトレーニングを始めたばかりの頃、理学療法の先生から手を振って歩いてくださいとの指摘があった。自分で観察すると確かに手を振っていない。振ろうとするとなんだかロボットのようになる。これが何回か続いた後に歩行中に体幹に力が入っていることに気づいた。体幹の力を抜くと手は振れるようになった。しかし、体幹の力が十分抜けないのか、手の振りはすぐによくはならなかったが、リハビリを続けることで体幹の力は十分抜けるようになり、手の振りも自然に触れるようになった。この歩行時に体幹に無意識に力が入ることが、体幹および脚の疲労の原因になるそうである。
10/15 病院入口のスロープを歩く。下りはスピードがですぎないように注意。登りは意外と大丈夫だった。10/16 病棟のある階(3階)とリハ室のある階(2階)への往復を階段で、杖なしで移動。10/17より杖なし歩行の許可が出た。10/22 病院の近くにある地下鉄の駅の階段を昇降する。小走りができるかどうかのチェック。小走りの様な感じにはなるが、スピードが遅くてほとんど前に進まない。これ以降、院外を歩く訓練が増えた。歩く距離が増えるにしたがって、反張膝のような感じが出現してきた。自主筋トレのハムストリングと腓腹筋の筋力テストを強化する。反張膝の感じは減少したがなくなったわけではない。歩行時の疲労も徐々に減少し、階段の昇降も徐々にスムーズにできるようになってきた。階段トレーニングでは患側の右足を上げる時につま先が段の垂直部分に引っかかることがよくあったが、大腿がよくあがるようになってからは引っ掛かりはなくなった。また、時間帯や脚の疲労度によって、右脚のしびれ感が強く出て特に階段の下りで、自分の脚の位置の感覚がよくわからず、怖い思いをした。しかしこのしびれ感も徐々に弱くなり、しびれがなくなったわけではないが、自分の足の位置の感覚がわからいということがなくなり、怖いこともなくなった。
 理学療法の評価の一つにBerg Balance Scale検査と言うものがある。これは14の動作があり、これを点数化して評価するものである。14の動作は①椅子からの立ち上がり、②立位保持、③背もたれなしで座位保持、④立位から座位、⑤移乗、⑥閉眼での立位保持、⑦両脚を一緒に揃え立位保持、⑧上肢を前方へ伸ばす、⑨床から物を拾う、⑩左右方向から後ろに振り向く、⑪360度回転、⑫段のステップ(20センチ足台)、⑬タンデム立位、⑭片足立ちである。これらは一つ4点満点で56点満点で評価するものである。9/12の入院時の評価は41点で、⑧⑨⑪⑫⑬⑭が減点となった。9/30は50点で⑧⑪⑭が減点となり、10/14に満点となった。