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2025.12.23

闘病記その2―リハビリ奮闘〜退院③

闘病記 その2―リハビリ奮闘〜退院③
阿知波正人
 
 言語聴覚療法はかなり辟易した。当初検査の連続だったからである。検査は簡単なものもあれば、脳が疲れると言うか、ストレスがたまる検査も時々あった。なぜこんなに検査が必要なのかと聞いたら、車の運転のためらしい。脳の障害があったので脳の機能が正常で、車の運転に必要な判断力などが問題いないことを様々な検査でチェックしていたようだ。ちなみにこの検査は①WMS-R検査(ウェクスラー記憶検査):記憶の様々な側面を測定し、認知症をはじめとする疾患による記憶障害を評価するための国際的に標準化された心理検査。
②BADS検査(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome):脳損傷などによって起こる遂行機能障害症候群を評価する検査で、目標設定、プランニング、計画の実行といった日常的な問題解決能力を評価する。
③SLTA検査(標準失語症検査):失語症の診断や重症度、種類を評価するための代表的な検査で、26項目の下位検査で構成され、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」といった言語機能の様々な側面を6段階で評価する。
④RCPM検査:「レーヴン色彩マトリックス検査」の略で、言語を介さずに知的能力(特に視空間知覚能力や類推能力)を測定する簡易知能検査です。失語症、認知症、難聴などの言語障害がある人や、文化的背景に影響されず知能を測定したい場合に用いられ、被検者に負担をかけずに検査が可能です。
⑤Kohs検査(コース立方体組み合わせテスト):立方体のブロックを並べて17種類の模様を作る非言語性の知能検査で、言語による理解が難しい聴覚障害者や失語症の方、高齢者、脳損傷後の認知機能評価にも用いられ、視空間構成能力や問題解決能力などを評価する。
⑥三宅式記銘力検査:簡便に行える聴覚性言語性記憶検査で、意味的関連の深い「有関係対語」10対と希薄な「無関係対語」10対を提示し、一方を想起させることで記銘力を評価する。高次脳機能障害、認知症、精神疾患の評価で広く用いられ、特に脳損傷による短期記憶障害や注意障害を鋭敏に反映する検査である。
⑦CAT検査 高次脳機能障害における「標準注意検査法(CAT)」:高次脳機能障害の評価で、注意機能障害を定量化するための神経心理学的検査である。
⑧TMT検査(トレイル・メイキング・テスト):脳損傷による高次脳機能障害、特に注意障害の程度を評価する検査で、TMT-AとTMT-Bの2種類で構成され、数字や文字を順番に結ぶことで処理速度や注意の切り替え能力などを測る。得点は作業終了までの時間で評価され、時間が長いほど注意機能の低下が疑われる。
⑨SDSA(Stroke Drivers Screening Assessment)(脳卒中ドライバーのスクリーニング評価):脳卒中後のドライバーが安全に運転できるかを、注意、空間認知、非言語性推測力などを評価する検査である。
 この結果は警察に提出されるらしい。この脳機能の検査はほぼ終了し、運転に必要な判断力は問題ないらしい。ただし、私の障害は右半身なので、脳が良くても体がうまく使えないと運転の許可は出ないらしい。アクセルから足を離してブレーキを踏み込むまでに0.6秒で出来ないとダメらしい。当初、右脚は全く動かなかったが機能が回復するに従って、足も動くようになり期待が持てる。ちなみにこの闘病記の執筆も最初は退院後と考えていたが、言語聴覚療法の先生は闘病記の執筆は脳機能の訓練になるとの回答を得たため執筆することにした。スマホで執筆するという慣れない作業であるが何とか頑張っている。そして、退院の数日前に警察から診断書をもらい、主治医に記入してもらい、退院日に警察に提出することにした。
 一通りの検査が終了したら、主に舌の運動と発音の練習になった。舌の運動は開口で前後、左右、上下に早く動かす。閉口で舌を上歯前面、一側の頬部、下歯前面、反対側の頬部にあてるように早く動かす。これを時計回り、反時計回りに動かすというものである。それぞれ10回動かすのであるが、開口位で行うため妙に口が渇いたので、10回ごとに水を飲んで次の運動を行った。
発音の練習は特にカ行とラ行の発音の練習。早口言葉。カ行とラ行の言葉を使った短い文章を読む。長い文章を読むといったことが繰り返された。開口での舌の運動は喉が渇いてちょっと大変であった。発音の練習はもともと活舌が悪いので、多少はよくなるかと期待を持って練習した。先生からは聞き取りやすくなったとの評価を得たがはたしてどうだろう?
9/28より言語療法の時間は減り、10/17に終了した。言語にあてられていた時間は理学療法と作業療法に振り分けられた。